もしも明日もあったなら。

そして近所の公園。
すでに見知った顔で賑わっている。

「実陽、隼人達との約束って何時だっけ?」

「んーとね、八時ー」

「あと三十分くらいかな」

「そうだね、だからまだ二人で楽しもう!」

「おー!」

私は一つ思っている事がある。

もしかしたら隼人はゆかりが好きなんじゃないかって。
ちゃんと根拠もある。
隼人は白石さんと別れてから夏休み中にゆかりも含めてみんなで遊ぶ話をよく持ちかけてくるようになった。

でもそうしたらぐちゃぐちゃになるなぁ…。

整理すると、私は橋本君が好きで、橋本君はゆかりが好きで、ゆかりも橋本君が好きで、隼人はゆかりが好き…。

あれ私疎外感…。
私の憶測にすぎないけど、でももしそうだとしたら嫌だな…。

一人でぐるぐると悩んでいると、

「実陽!実陽ってば、聞いてる?」

「えっ!?」

ゆかりが怪訝そうな顔をして私の顔を覗き込んでいた。

「もー、聞いてた?」

「ご、ごめん、考え事してた」

「でた実陽の悪い癖」


悪い癖、といって許してくれるゆかりは優しいと思う。

「あ。」

といってゆかりがとある一点を見つめた。
< 45 / 163 >

この作品をシェア

pagetop