もしも明日もあったなら。
一時間目は英語。今日は先生が出張でいないから自習。
他の先生が見回りに来る心配もないのでほぼ自由時間といってもいい。
皆仲の良い子たちの周りに集まってお喋りを始める。
真っ先にゆかりも飛んできた。
「実陽!来たよん」
「みればわかるよ?」
「冷たいなぁ」
「実陽、弥生呼んでやろっか?」
ニヤニヤしながら隼人が言ってくる。
「え、ちょ、まっ!」
そんな私の止める声もむなしく、隼人が勝手に呼んでしまった。
「弥生ーこっち来いよ」
「んー」
目をこすりながら橋本君がこっちへ移動してきた。
やばい...すごい可愛い...こういうギャップがたまらない。
なんかゆかりがニヤニヤしながら見てくるけど気にしない。
うわ、うわ、どうしよう。
斜め前に橋本君がいる...!
しゃ、喋んなきゃ...!!
「はっ、橋本君、おはよう!」
少し恥ずかしかったから下向いちゃったけど言えた。
「おぅ花咲おはよー」
返してくれた!
それだけで今日はいい日だと確信した。