もしも明日もあったなら。
「ついたっ…けど、やっぱりいないねー」
「だろうね。今隼人から『いつものとこなかった。遅れる』って来た」
「夏だしね~…」
と、その言葉を最後に沈黙が流れた。
気まずい。とても気まずい。
なんか話さなきゃかな……
と考えていたら、橋本君が口を開いた。
「ねぇ、アイツらとはどういう関係なの?」
「アイツ…ら?」
「隼人達」
「あ、あぁ!ゆかりは今年になってから凄く仲良くなった親友。隼人は小学校から一緒で、駿は1,2年生で委員会が一緒だったんだよ」
「そうなんだ。だから隼人とぺこは下の名前なんだな」
「うん、そうだけど…それがどうかしたかな?」
「なんかおれだけ疎外感……」
としょんぼりした顔をした。
かっ…可愛い…っ!!
「そ、それは…勝手に下の名前で呼んだら悪いし…君づけが定着してたから…」
なんか言い訳っぽい。
「じゃあ、今からおれのことは下の名前で呼ぶこと!」
「!?」
「約束!いいだろ、別に」
「え、うん…!」
むしろ願ったり叶ったりですが。
「じゃあおれも下の名前で呼ぶわ!」
「い、いいの!?」
「?おう!」
と笑顔で返してくれた。
神様、私の運はここで使いきったんですか?
せっかくここまで来たのでもう少し生きたいです。
「よ、よろしくね…!“弥生”」
「おう!“実陽”!」
ねぇ、私は君に。
少し、少し“弥生”に近づけましたか?