もしも明日もあったなら。
それから数十分後。
ゆかり達は戻ってきた。
「いやぁ、おまたせごめんね」
「もー、ゆかり遅いよ~!」
「あっはは、ごめんて」
「隼人おせーよ」
「なんだよー、いいじゃねえかー」
「まぁまぁ、とりあえず花火、やろう!」
ゆかりのその一言で私達は小さな花火大会を始めた。
花火を楽しんでいると、ゆかりがそばに寄って来て、
「で?橋本とはなんかあったのかな?」
ゆかりがニヤニヤしながらこっそり聞いてきた。
「え、」
「実陽さっきから顔が緩みきってるよ」
「そ、そんなことないよっ」
「おーい、はn…実陽ー新しい花火いるかー」
「!!」
ゆかりが目を輝かせた。
「あ、うん!いるー」
「はいよ」
そういって持ってきてくれた。
「ありがと、弥生」
「いいえー」
そういって隼人の方へ戻って行った。
「ちょっとちょっと実陽!どういうこと!?」
「な、名前呼びに…なりました!」
「おおおお!!おめでとー!!」
「あ、ありがと…?」
私以上に興奮して喜んでくれた。
ゆかりのそういうところが好きだ。
「あたしも頑張らなくちゃね」
何か言ったゆかりの声は花火の着火音で聞こえなかった。
そんな楽しい花火大会はみんなでやった線香花火とともに終ってしまった。