心の裏側と素肌の境界線を越える為に
「そうか…」

純一は、アルバムを手に取った。

しばらく、見つめてから…おもむろに口を開いた。

「だとしたら…俺のせいではないな…。幽霊部員を獲得したのは」

フッと笑い、

「これは、俺のCDではないからな」

アルバムを俺に渡した。

「え?」

今の言葉に、少し驚いた俺を見ないで、次にかける曲を探している純一は、 ジョリーのサビに耳を傾けながら、

「借りてるんだよ」

「え!だ、誰に?」

「勿論、この学校の生徒さ」

純一の次のCDを、対にあるデッキにセットした。

ジョリーが終わると同時にかける為、ボリュームのつまみに手をかけた。

「ある日、放送室に持ってきたんだよ。なんでも、今住んでる家には、CDをかける機械がないから…たまに、学校でかけてほしいってさ」
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