心の裏側と素肌の境界線を越える為に
「一曲…歌えだと!どうして、俺が!」

強引な美佳のやり方にムカついたけど…

やる曲がジョリーと聞いて、少し悩んでしまった。


あの曲は、片桐も好きだからだ。


「だからと言って〜ライブに呼べるかよ」

俺は、頭をかいた。


もう半分以上…参加する気になっている自分に、俺は気付いた。


「今回は…断りにくいな…」

心のどこかで、美佳に後ろめたい気持ちがあった。

一度でも同じステージ立てば、少しは気持ちも晴れるだろう。


「仕方ないか」

俺が、歌うことを心の中で承諾しかけた時、

後ろから声がした。

「太一!」
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