心の裏側と素肌の境界線を越える為に
「?」

俺が首を傾げると、

美佳は息を吐き、力が抜けたように…微笑んだ。

「本番…頑張ろうな」



「ああ」

俺は頷くと、ドアノブを掴み、スタジオから出た。



ドアが閉まる音を確認した後、美佳は大きくため息をついた。


「美佳…」

心配そうなバンドのメンバーに、美佳は笑いかけると、

「みんな!次の曲いくぞ」

美佳は、スティックでカウントを刻んだ。


仕方なく、メンバーもそれに合わせた。
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