心の裏側と素肌の境界線を越える為に
学校の図書室で、呟いた俺の一言。

驚く美佳の表情を、俺は憶えていた。


「その言えば…あの頃のあいつは、金髪でなかったな」

俺は廊下を歩きながら、首を捻った。


教室に入ると、正利が欠伸をしていた。

総司も、自分の席にいた。

俺は軽くため息をつくと、席に着いた。


なぜだろ?

今日はよく…過去を思い出す。




「いいよ」


完全に別れたはずなのに、

それからしばらく2人は離れなかった。


会うことは会っていた。


彼女がもう…他の男と会っているのが、わかっていたのに…。
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