心の裏側と素肌の境界線を越える為に
「この学校に転校してきた時から、気付いてたの…。あなたの痛みを…。あたしに似た痛みを持ってることに」

片桐は起き上がった。

俺に股がる格好になる。

「だけど…あなたは癒せる」

俺を見下ろしながら、微笑んだ。

「片桐…」

「大丈夫」

俺の髪を優しく撫で、

「あたしは…壊れた人形なの。何をしても大丈夫」

上から、俺にキスをした。

「あなたの傷が癒えるまで、いてあげる」



「片桐!」

俺は、片桐を抱いた。

今度は、ちゃんと…意識を保って。

すべての…今までの奥にあるものを吐き出すように、激しく。


その時の俺は、嬉しくて…

だだ夢中で…


片桐がなぜこんなことをしてくれたのか…考えることもしなかった。

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