一週間、魔法使いになります。
すると、ミミさんの顔が見て分かるくらいサーッと青ざめていった。
「す、すいませんっ!
本当は窓からホウキに乗って来て、柚葉さまに窓を開けてもらう予定だったのですが……予想外の行動を取られてしまいまして」
あたしの行動が予想外? いや、普通だと思うけど。
っていうか『窓からホウキに乗って来る』? ますます魔法少女だよ……。
謎はまだまだ沢山あるけど、ぺこぺこ謝るミミさんを見てなんだか可哀想に思えてきてしまった。
まぁ、悪気はないようだし……窓割る時謝ってたし……あんまり責めちゃうのも可哀想かな。
質問攻めにしたい気持ちを抑え、あたしはさっきから気になって仕方がない異常現象について尋ねることにした。
「じゃあミミさん、さっき呟いてた呪文みたいのはなに?
あたし、身体が動かなくなっちゃったんたけど、それと関係があるの?」
えっへんと少し胸を張って答えるミミさん。
「魔法です! すごいでしょう?」
「……は?」
あまりに非現実すぎる答えに、年上のように見えるミミさんに対して失礼な言葉を発してしまった。
……でも仕方ないでしょ。いきなり魔法なんて言われたら、「頭おかしいんじゃないのこの人」って思うしかない。