一週間、魔法使いになります。
白けた視線を送るあたしに、ミミさんは頬を膨らませてもぉーっと怒る。
「あぁっ、信じてませんでしょー。
本当ですよ。後でとっておきの魔法を見せてあげますから!」
ニコニコ笑う少女は悪い人ではなさそう。
でもだからって信用しちゃダメだよね。なにしろ勝手に家に侵入してきたんだから。
あたしは更なる質問を続けた。
「まだ、質問いい?
なんの為にあたしを訪ねてきたの?」
「それはですねー……あるお方に柚葉さまを連れてきてって頼まれたんです。
勤めて初の大仕事ですよっ。これを遂行できれば出世も夢じゃありませんからね〜」
そ、そうなんですかー……。
と、いうことはあたしの名前はその“あるお方”から聞いたんだね。個人情報流出してなくて、ほっ。
「じゃあ、行きますか」