一週間、魔法使いになります。



 ミミさんが右手を横に伸ばす。

 その瞬間ボンッと派手な音がし、もくもくとした煙が発生した。



「え!? なに!?」



 マジック? と思って彼女の右手に視線を注いでいると。



「えええええ!? なんでホウキが出てきたの!?」




 そう、ミミさんの手にはホウキが握られていたの――――!




 なになに教えてとミミさんを揺さぶると、彼女は得意そうににっこり微笑んだ。




「これも魔法ですよ! これは空を飛ぶ為のホウキ。

 ……お分かりいただけましたか?」



 目を好奇心で見開かせて、何度もうんうん頷く。



 空を飛ぶ為の、ホウキ……。

 
 すごい。大きな満月をバックに空を飛べたりするんだ。



 いくら創作の中でしか存在しないと半信半疑でも、生で見せられたら素直に信じる他ない。

 
 魔女なんていたんだ……。


 ミミさんが家の中に入ってきたことなど頭の中にはなく、魔女や魔法、オカルトで頭はいっぱいだった。


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