一週間、魔法使いになります。
っていうかここ家の中だけど!?
「しっかり捕まっておいてくださいね! 落ちますよー」
「お、落ちる……!?」
ミミさんから忠告を受け、慌ててメイド服の背中にかじりつくようにしがみついた。
あまり親しくない人に抱きつくような形になるのは正直ちょっと抵抗があるけど、今はそんなことを言ってられない。
下手したら生死を問う問題になるかもしれないのだから。
きつく腹部に手を回すあたしにミミさんは苦笑い。
「落ちないようにして欲しいですけど……あんまり苦しくしないでくださいね。私がダメになっては元も子もないんですから」
「えぇー……ごめん、無理かも」
「……まぁ、なるべくそうしてくれたらありがたいです。
では、行きますよ!」
おぉ……遂にあたしは大空へ……!
家の中からどう出るんだろう! どんな魔法を使ってくるんだろう!
心の中でこれでもかというくらい期待を膨らませていたら。