一週間、魔法使いになります。



 女王さまが座る時に、部屋の照明によって頭の後ろで髪をまとめた髪飾りが光った。


 緊張しなくてもいいって言われても……それは無理な相談だよ。

 ただの子供で平民なあたしが女王さまと面会するなんて、一生に一度あるかないかの大事件なんだから。


 

 未だ緊張が抜けないあたしに、女王さまは近所の人と会話するようなノリで話を切り出してきた。



「お母さん、元気にしてる?」


「え? あ、はい! 元気にしてます」



 言葉を返してから、なにやら違和感を感じた。



「……あれ? どうして女王さまがママのことを……?」



 面識があるからからこそ、言う言葉のはず。

 魔法界――――互いに違う世界にいるのになぜ面識があるのか。


 
 思わず思ったことを呟いてしまい、少し青ざめたけど、女王さまは気にも留めずに身を乗り出して悪戯っぽく囁(ササヤ)いた。



「実はね……私と柚葉ちゃんのお母さん、姉妹なのよ」



 突然の爆弾発言に、あたしは頭がついていけなかったのか大袈裟な反応をすることはなかった。

 
 なにしろ、謎なことばかりあるのだから。



「……え。人間と、魔法使いが姉妹……?」



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