一週間、魔法使いになります。
「いいえ。柚葉ちゃんは人間と魔法使いの混血。魔力だって十分に感じられるわ」
感じられるって……。全っ然、そんな感じはしないんだけど。自分では感じられないものなのかな?
呆気無く、理由も粉々に壊されてしまったけど……いきなり異世界のプリンセスになれだなんて言われても困るし、ママも心配する。それに、中学の友達とも別れたくないよ――――。
でも、不思議なこの魔法界に興味を持っているのもまた事実。
一人葛藤を繰り広げていると、女王さまが呟く。
「とりあえず、事情を説明しに今夜姉様に会いに行きますから――――」
そこまで言った時、後ろで待機していたはずのメイドさん達が女王さまの周りを取り囲んだ。
そして、口々に今にも泣きだしそうな声色で言った。
「女王さまっ! 危ないですわ!」
「やめてください!」
「行かないで下さいませ﹏﹏っ」
そこまで言われると、流石の女王さまでも困ったように微笑む。
すると今まで沈黙を貫き通してきたミミさんが口を挟んだ。
「アイフルをお使いになられたらいかがですか?」
アイフル? ……ってなに?
そう思ったけど、ミミさんと女王さまが話しているから聞かずに黙った。
けど、あたしがわからないといった顔をしていたのか、あたしを見てミミさんがこっそり説明をくれた。