一週間、魔法使いになります。
まぁ、そんなことができないのは実際分かってる。
そんなことで学校をサボりたくないし。
……よく考えたらママに心配かけちゃって、それこそストレスになるのでは?
……うん。行くしかない。怒られてもあたしには暖かいお風呂と美味しいご飯、古くからの付き合いのマイ布団が待ってくれてる。
「……だよね。頑張って怒られてくる」
死んだ目のままで微笑むあたしに向かって、ミミさんはガッツポーズ。
「大丈夫です! 私が柚葉さまのお母様に説明しますから!」
「じゃあ、よろしくね。……いっきまーす」
言った後直ぐに、『MINAHARA』とローマ字書きの表札の下あるチャイムを押した。
ベランダから出た為、今は生憎鍵を持っていなくて勝手に入れない。
もうどうにでもなれ。
その気持ちが、あたしの行動の動力源となっていた。
だけどいくら待ってもインターホンから音は聞こえなく、疑問に思って首を傾げた頃。
扉の横の小さなガラス窓にオレンジ色が色付き、カチャッという音が響く。
開いた……!
深呼吸すると、ミミさんとアイコンタクトをとって玄関のドアを開けた。