一週間、魔法使いになります。
 それと、今のママの様子。

 昨日の夜から淋しそうに笑うけど、なんか見ていて胸を締め付けられる。

 それにもう普通になってるし……。


 ――――なんだか、ママはとんでもない秘密を抱えているような気さえしてくる。


 でもまぁきっと、姉妹の仲は良いとは言えないものだったから、義妹にあたしを預けるのに不安があったんだと思う。

 てか、それしか考えられないし。



「じゃあ、そろそろ行ってくるね」


「うん……気を付けてね」



 嫌な予感が頭を横切ったけど、あたしはそれに構わず、置いておいたリュックを肩に引っ掛けリビングの扉を閉めた。





             * * *




 ホウキに乗っている途中からの記憶がまた無くなっていたけど、もう二度目なので「またか……」だけでこの件は済ませた。



 目を覚ましたのは、昨日ケーキを食べたお城の応接間。

 あたしは白いソファ上に寝かされていて、むくっと起き上がると、伝達をしたのかすぐに女王さまが飛んできた。



「柚葉ちゃん!」


 今日は、歩く度に漆黒が揺れる黒いドレス。背中は大きく開いていて、中学生のあたしにしたら大人っぽい雰囲気の服だった。

 装飾が多いのには変わりない。


 髪型も昨日と変わっていて、横結びの髪の結び目に白いリボンの装飾が付いてる。

 白い、日に反射して煌めくイヤリングも綺麗だった。

 
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