一週間、魔法使いになります。
じゃあ家の中に入ってくるじゃん!
慌てて家の外に逃げようとするも、ガクガク震える足が逃亡の邪魔をする。
すぐにご丁寧に部屋のドアが閉まる音がし、走れなくなっているあたしとは対照的に、謎の少女の足音がだんだんと近づいていた。
急いでいたような剣幕は消え去り、悠々と歩いてきている。
あたしが逃げられなくなってること、知ってるのかな?
逃げるって思わないわけ?
やだぁ……どうしよう、殺されちゃうのかな?
早く、逃げなきゃ。
近づいてくる人影から目を背けぶ厚いドアを一心に見つめる。
震える手でドアノブをカチャカチャ捻り、体の重心を傾けてドアを開くと。
あ、歩けた……!
捕まる前に早く走らなければ。
玄関の外に足を踏み出した瞬間。
〔カルメヌ・ストッパーネ!〕