婚約者は突然に~政略結婚までにしたい5つのこと~
四人でぞろぞろとSAKUへと向かう。
扉を開けて店内に入ると素敵な紳士が笑顔で出迎えてくれた。
「いらっしゃいませ」
が…しかし私たちを見るなり、ギャグか?と突っ込みたくなるほど穏やかな表情が一変する。
「ど、どうして、お前がここにいるんだ?」
「す、すみません、オーナー。やっぱりお客さんとしてくるのは不味かったですよね」
いつも陽気なオーナーが顔を強張らせているので、私はシュンとして縮こまる。
「駆」
へ?私はポカンとして藤原さんへ視線を向ける。
「やっぱり兄貴の店だったか」藤原さんは苦々しく唇の端を上げた。
「ど、どうゆうこと?」私はオーナーと藤原氏の顔を交互に見つめる。
「駆のお兄さまだ」田中は二コリともせずに解説してくれる。
「ええ?!」私は驚きのあまりデカイ声で聞き返してしまう。
「あんた、それを知ってて、このお店でバイトするよう私に勧めたの?!」田中は無言でこっくり頷いた。
「先に言えよ!」思わずタメ口で突っ込む。
「まさかなー駆のお友達だとは思わなかったぞー?まさか、うちの可愛い遥に手ぇ出してないよな?」
「こういう純粋そうなタイプには手ぇ出さないってー。兄貴こそセクハラしてんじゃないのか?」
「生憎、ロリコン趣味はない」
二人はガハハっと笑い合う。そう言えば軽薄なノリはソックリだ。恐るべしDNA。
「葛城少年なんか辞めて、なんならうちに嫁ぐか?駆はちょーっと女癖が悪いけど、なかなか優秀で見込みのある男だぞ?」冗談じゃない。ちょっとどころか病的に女癖が悪い。
「あら?じゃあ、オーナーが我が家の借金を払ってくれるのかしら」私はチラリと横目で視線を向けると「悪いが、お前に三億円は出せない」と言って、秒速でお断りされてしまう。
「サンオクエンってどうゆう事?」
中谷先輩が怪訝な表情を浮かべて尋ねるとその場にいた私達はハッとして固まる。
ヤバい…中谷先輩は借金のことなんて知らなかったんだ。
迂闊にも口を滑らせてしまった事を後悔する。
扉を開けて店内に入ると素敵な紳士が笑顔で出迎えてくれた。
「いらっしゃいませ」
が…しかし私たちを見るなり、ギャグか?と突っ込みたくなるほど穏やかな表情が一変する。
「ど、どうして、お前がここにいるんだ?」
「す、すみません、オーナー。やっぱりお客さんとしてくるのは不味かったですよね」
いつも陽気なオーナーが顔を強張らせているので、私はシュンとして縮こまる。
「駆」
へ?私はポカンとして藤原さんへ視線を向ける。
「やっぱり兄貴の店だったか」藤原さんは苦々しく唇の端を上げた。
「ど、どうゆうこと?」私はオーナーと藤原氏の顔を交互に見つめる。
「駆のお兄さまだ」田中は二コリともせずに解説してくれる。
「ええ?!」私は驚きのあまりデカイ声で聞き返してしまう。
「あんた、それを知ってて、このお店でバイトするよう私に勧めたの?!」田中は無言でこっくり頷いた。
「先に言えよ!」思わずタメ口で突っ込む。
「まさかなー駆のお友達だとは思わなかったぞー?まさか、うちの可愛い遥に手ぇ出してないよな?」
「こういう純粋そうなタイプには手ぇ出さないってー。兄貴こそセクハラしてんじゃないのか?」
「生憎、ロリコン趣味はない」
二人はガハハっと笑い合う。そう言えば軽薄なノリはソックリだ。恐るべしDNA。
「葛城少年なんか辞めて、なんならうちに嫁ぐか?駆はちょーっと女癖が悪いけど、なかなか優秀で見込みのある男だぞ?」冗談じゃない。ちょっとどころか病的に女癖が悪い。
「あら?じゃあ、オーナーが我が家の借金を払ってくれるのかしら」私はチラリと横目で視線を向けると「悪いが、お前に三億円は出せない」と言って、秒速でお断りされてしまう。
「サンオクエンってどうゆう事?」
中谷先輩が怪訝な表情を浮かべて尋ねるとその場にいた私達はハッとして固まる。
ヤバい…中谷先輩は借金のことなんて知らなかったんだ。
迂闊にも口を滑らせてしまった事を後悔する。