婚約者は突然に~政略結婚までにしたい5つのこと~
「こ、これって、俗に言うエンゲージリング?」
私の問いに匠さんはこっくり頷いた。
「本当はもっとおっきな石にしようと思ったんだ。リングにもダイヤがちりばめられたド派手なヤツ」
私が顔を顰めると匠さんはクスリと笑う。
「でも遥はシンプルなデザインが好きだと思って」
さすが出来る男、私の好みが良く解っている。
「とっても素敵」手をかざして薬指の指輪を眺めると、嬉しくてつい顔がニヤけてしまう。
「遥、俺が帰ってきたら結婚しよう」
「へ?ああ、はい。そうですね」
何を今更…と思いつつ、私は間の抜けた返事をする。
「なんだよ、そのうっすいリアクションは。今のは感動するところじゃないか?」匠さんは不満気だ。
「まあ、サプライズのプロポーズって訳にはいかないよね。私達婚約者だから」
匠さんは口元に手を当ててコホンと小さく咳払いをする。
「その…なんだ」珍しく言い淀んでいる。私は訝しげな視線を向けた。
「愛しているから結婚しよう。家とか、会社とか関係なく」
私は予想もしなかった言葉にキョトンとしてしまう。
「遥と一緒になるなら、家を捨てる覚悟も出来てる…から」
言葉を失ったまま私は固まった。
「…えーと、返事は?」匠さんはめずらしく顔を赤くして尋ねる。
「匠さん、大好き!」私はガバっと抱きついた。
「共に白髪が生えるまで一緒にいましょうね」
「渋い返答だな」と言いつつも匠さんは私をギュッと抱きしめる。
「高砂です」
なんだそれ、と言って匠さんはクスクス笑う。
私の問いに匠さんはこっくり頷いた。
「本当はもっとおっきな石にしようと思ったんだ。リングにもダイヤがちりばめられたド派手なヤツ」
私が顔を顰めると匠さんはクスリと笑う。
「でも遥はシンプルなデザインが好きだと思って」
さすが出来る男、私の好みが良く解っている。
「とっても素敵」手をかざして薬指の指輪を眺めると、嬉しくてつい顔がニヤけてしまう。
「遥、俺が帰ってきたら結婚しよう」
「へ?ああ、はい。そうですね」
何を今更…と思いつつ、私は間の抜けた返事をする。
「なんだよ、そのうっすいリアクションは。今のは感動するところじゃないか?」匠さんは不満気だ。
「まあ、サプライズのプロポーズって訳にはいかないよね。私達婚約者だから」
匠さんは口元に手を当ててコホンと小さく咳払いをする。
「その…なんだ」珍しく言い淀んでいる。私は訝しげな視線を向けた。
「愛しているから結婚しよう。家とか、会社とか関係なく」
私は予想もしなかった言葉にキョトンとしてしまう。
「遥と一緒になるなら、家を捨てる覚悟も出来てる…から」
言葉を失ったまま私は固まった。
「…えーと、返事は?」匠さんはめずらしく顔を赤くして尋ねる。
「匠さん、大好き!」私はガバっと抱きついた。
「共に白髪が生えるまで一緒にいましょうね」
「渋い返答だな」と言いつつも匠さんは私をギュッと抱きしめる。
「高砂です」
なんだそれ、と言って匠さんはクスクス笑う。