婚約者は突然に~政略結婚までにしたい5つのこと~
何事かと、周囲の視線が一斉にこちらへ集まっている。それじゃなくても葛城達は人目をひく存在だ。
「あははー、振られちゃったね、匠」藤原がケラケラ笑っている。
「駆、やめろよー」と言いつつも田中は嬉しそうにニヤニヤ笑っている。
「何言ってんだ、駆、稜。俺達は結婚するんだ。振るも振られるもないだろ?」
まるで陽はまた昇るから、とでも言うかの如く、当然の口調で葛城は言う。頭がおかしいのだろうか。
「お父さんから何も聞いてないようなら自己紹介が必要だね」
私に怒鳴られた事など一切気にも留めずに葛城は瓢々としている。
「僕は葛城匠、東栄大学政経学部の三回生で君の婚約者だ。よろしくね」
ニッコリほほ笑んで左手を差し出した。何を考えているのかさっぱり解らない。
しかしその笑顔に、何か絶対的なものを感じて、私は自分の左手を差し出そうとしてしまった。
「葛城、彼女いるだろ?それなのに婚約者ってふざけてないか?」
中谷先輩の声でハッと我に返る。
こんな怪しい男と握手をしようなんて私もどうかしてるわ。
「今の彼女とは結婚しないよ。僕は小森さんと結婚する予定だから。恋愛と結婚は別物だ」
しかも彼女がいるくせに婚約者ってどう言う事なのか、サッパリ意味が解らない。
「あははー、振られちゃったね、匠」藤原がケラケラ笑っている。
「駆、やめろよー」と言いつつも田中は嬉しそうにニヤニヤ笑っている。
「何言ってんだ、駆、稜。俺達は結婚するんだ。振るも振られるもないだろ?」
まるで陽はまた昇るから、とでも言うかの如く、当然の口調で葛城は言う。頭がおかしいのだろうか。
「お父さんから何も聞いてないようなら自己紹介が必要だね」
私に怒鳴られた事など一切気にも留めずに葛城は瓢々としている。
「僕は葛城匠、東栄大学政経学部の三回生で君の婚約者だ。よろしくね」
ニッコリほほ笑んで左手を差し出した。何を考えているのかさっぱり解らない。
しかしその笑顔に、何か絶対的なものを感じて、私は自分の左手を差し出そうとしてしまった。
「葛城、彼女いるだろ?それなのに婚約者ってふざけてないか?」
中谷先輩の声でハッと我に返る。
こんな怪しい男と握手をしようなんて私もどうかしてるわ。
「今の彼女とは結婚しないよ。僕は小森さんと結婚する予定だから。恋愛と結婚は別物だ」
しかも彼女がいるくせに婚約者ってどう言う事なのか、サッパリ意味が解らない。