婚約者は突然に~政略結婚までにしたい5つのこと~
再び部屋の中が静かになる。

「危ないところだった」と葛城はボソっと呟く。

「そうよ!こ、こんな姿を双子達にみ、見られるなんて」

私は葛城の膝に乗ったまま目に涙を浮かべる。

「全くだ。双子達が来なかったら、自ら結婚前に純潔を奪ってしまうとこだった」

…そっちかよ。

私は避難がましい視線を向ける。

「どうして純潔にこだわるの?」

「結婚初夜に花嫁の純潔を奪うなんて男の浪漫じゃないか」

やっぱり葛城はちょっと変態だ。

「また、こうやって中途半端で焦れるのも官能的だ」

葛城は私の太ももをそっと撫でると身体の芯がゾクリとする。

「もう終わり」

私は膝から下りようとすると腰を抱き寄せられた。

「久しぶりに会ったんだかったんだから、もうちょっと仲良くしよう」

「もう充分仲良くしたわよ」

「ダメー全然足りない」

葛城は再び唇を重ねてきた。

何だかんだ言っても私はこのキスを拒む事は出来ない。
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