歪な愛のカタチ


カバンから取り出したPCで、自分の仕事の補佐をしてくれている女の子にメールを送る。

総務に送っといて、と言って書き出した標語は、耕太に提案した三つと新しいもの二つの合計で五つ。
俺の、渾身の力を込めたものだ。



待ってたぜ、今日から完全安全日
ヤル気出せ、今日から毎日安全日
安全日、確認忘れて大惨事

よしやるぞ、今日から毎日安全日
確認を、怠る事なく安全日



なんかイイ感じじゃねぇ?もしやこれ、社長賞とか出ちゃうんじゃね?と手ごたえを感じていると、向かい側で耕太が、ヤベェ、俺まで下ネタから離れられねぇ!と、頭を抱えて唸っていた。


もう俺はお前を助けてやらねぇからな!!




俺が煙草をもう一本吸う間もずっと考えてた耕太は、結局、いいや仁さんのパクろう、と本人目の前に堂々と口にした。


「安全日だけはパクんなよ?」
「あ、それは大丈夫っす。安心してください」
「よし。ならいい」
「いーんだ?」

笑ってる耕太をさっさとしろ、と促して、午後の仕事の為に頭切り替えて店を出た。




これが、昼の間のいつものくだらない遣り取り。
そうしてまた、話は冒頭へと戻る。




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