暗黒マスク伝説『ワンピースとダースベーダーと私』
3】席をめぐる攻防
 加奈はワンピースの裾を軽くつまみ、左右に広げる。

 スカートはやわらかく広がり、綺麗なシルエット。


 その場の雰囲気は“綺麗”とは大分かけ離れていたが・・・。



「今日は思い切ってワンピースにしてみたの。

 どう、見違えた?」



 得意気に小林に尋ねる加奈。





―――見違えるどころか、アンタの脳みそを疑いましたよ。

 心の中でつぶやく小林。



 しかし、そこは接客のプロ。
 
 心の声をまるで顔に出さない。



「そうですね。

 とてもよくお似合いですよ」



 多少ぎこちないながらも、にっこりと微笑んだ。
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