暗黒マスク伝説『ワンピースとダースベーダーと私』
12】凄腕歯医者
「到着~♪」


 キュッ、とブレーキをかけて自転車をとめる加奈。




 歯医者の壁に設置された時計を見る。


「うん、ちょうどいい時間だ」


 黒いコートをひるがえし、ご機嫌で自転車から降りた。





 この時期。

 普段は自転車に乗る事はおろか、ほんの少し外出しただけで花粉の攻撃を受ける。


 くしゃみ、鼻水、涙が止まらず。


 果てには頭痛までしてくる始末。




 しかし。

 この暗黒マスクのおかげで、それらの症状がまったくでない。




「もう、これは絶対に手放せないね!!」



 加奈は花粉のシーズンが終るまで、なんちゃってダースベーダーを通す事に決めたようだ。



 迷惑極まりない。



 ママ友さんたち、あわれなり・・・。
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