暗黒マスク伝説『ワンピースとダースベーダーと私』
 脱いだコートを小脇に抱え、すたすたと受付に向かった。


「こんにちは~」


「きゃっ!!」

 悲鳴と共にのけぞる事務員。

 


「診察券と保険証、出しておきますね♪」

 加奈はバッグの中から取り出して、受付台に載せた。



 恐ろしい暗黒マスクから聞こえてくる可愛らしい女性の声。


 そのギャップが余計に不気味だ。




「は・・・はい」


 顔面蒼白の事務員。


 震えて仕方がない手で受け取った。

< 55 / 67 >

この作品をシェア

pagetop