暗黒マスク伝説『ワンピースとダースベーダーと私』
「なによ、せっかくあやしてあげたのに。

 失礼しちゃうわね」


 プンプンしながら前に向き直る加奈。


(そんなマスクをつけたまま、いきなり振り返るお前こそが失礼である)






 不本意とはいえ、赤ちゃんを泣かせてしまった事で、加奈は更に注目を浴びてしまう。

 再び好奇の目が彼女に集まる。


―――まったく、何なのよ。

   みんなしてじろじろ見てさ。



 少し頭に来ていた加奈は、ロビーにいる人たちをじろりと睨みつける。

 無言だと言うのに、暗黒マスクをつけているというだけで、異常なほどに漂う威圧感。


 大人も子供もあわてて視線をそらした。




―――そんなに私の顔が変だっていうの!?



(変なのは顔ではなく、マスクだよ・・・)

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