暗黒マスク伝説『ワンピースとダースベーダーと私』
 入って来るなり、唖然とする歯科医。

 歯医者のクセに無駄なほどイケメンの顔が固まった。


(いえ、別に。歯医者さんがカッコよくてもいいんですけど)



「・・・川田さん。

 何ですか、その格好は?」


 帽子とマスクの間からのぞく切れ長の目が、冷ややかに加奈を見下ろす。



「えっ!?

 普通のワンピースですけど?」


 加奈は首を傾げて、返事をする。




「この服、変ですか?」



「いえ、服ではなく。

 その、とてつもなくふざけたかぶり物ですよ」


 優しげな風貌とは裏腹に、その口調には大きなトゲがある。


(まぁ、こんなマスクを付けてる奴に優しくする気は起きないよな・・・)


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