魔王の娘が勇者になりたいって変ですか?
「万桜ちゃんの忘れん坊……」
クロがそう言ってクスリと笑う。
「あ……えっと、ごめんなさい。
名前は覚えているのですが、会ったことは覚えていません……」
万桜が、申し訳無さそうに謝った。
「気にしなくていいわよ。
だって会ったのは13年前だもの……」
シロが笑う。
「13年前って私、3歳ですね……」
万桜が、目を丸くさせて驚く。
「だったら、覚えていなくても仕方がないな!」
バルドが、そう言ってリンゴを丸かじりする。
そして、シエラには切り分けたリンゴを載せた皿を渡した。
「あ、うさぎさん」
シエラが、そう言って笑う。
「ああ、かわいいだろう?
死んだ娘もこれが大好きだった」
バルドが、そう言って寂しそうな目でうさぎを見た。
「娘さん亡くなっているんですか?」
万桜が、そう聞くとバルドがうなずく。
「ああ。
病気でな……
っと辛気臭い話はここまでにしてお前らは休め休め!」
バルドが、そう言って豪快に笑った。
「焔くんもシエラさんも血圧に異常もないし今日ゆっくり安静にしていれば明日の朝には退院できるわ」
シロが、そう言って焔から血圧計を外した。
「ありがとうございます」
焔が軽くお礼を言った。
「で、あの光のことはなにかわかったですか?」
シエラがバルドに尋ねる。
「ああ。
あの光の名前は、カリュドーンの猪。
あの暴れまわる光は、あの場所にいたほぼ全ての人を焼きつくした」
「ってことは、一部の人は生き残ってるのですか?」
焔がそう尋ねるとバルドがうなずく。
「ああ、アンゲロスの情報によるとあれは対人兵器。
人類とその製造物のみを破壊する。
神族や天使族、魔族などの人類以外には効果が無いらしい」
バルドが、そう言うと万桜がうなずく。
「だから、私も無事だったんですね」
「ああ。
んで、ここからが難題だ。
テオスは、再びカリュドーンの猪を打つ準備が出来ているらしい。
1発打つのに必要な充電時間は、3日……
つまり、3日あれば何発でも打てるらしい。
テオスは、人類に全面降伏しなければ再びカリュドーンの猪を放つと言っている」
「それで、どうするんですか?」
焔が、バルドに尋ねる。
「戦うしか無いさ……
降伏すれば人類は、テオスの奴隷になるだろう」
バルドの眉間にシワが寄る。
するとかみさまが、顎に手を当てて言葉を放つ。
「解せぬな」
「かみさまどうした?」
「降伏させる必要あるのか?
ヤツラは人を人類をゴミとしか見ていない。
奴隷としてさえ扱ってもらえるかわからんぞ?」
「つまり、どういうことだ?」
焔が、かみさまにそう尋ねるとかみさまがため息混じりに言った。
「つまり、神族は人類を家畜以下として扱う可能性もあるってことだ」
「家畜って馬や牛?」
シエラが、そう言って目を泳がせる。
「良くてイヌやネコだな。
当然服は着せられずイヌのように裸で外に放り出されるだろう。
まぁ、神族は人類を食さないだけまだマシだろうが……」
かみさまの言葉に焔の目が鋭くなる。
「そんなことさせてたまるか。
そんなことするくらいなら死んだ方がマシだ!」
怒鳴る焔をバルドが、なだめる。
「そう怒鳴るなって、そうならないためにも俺らは戦うんだ。
それも決死の覚悟でな」
バルドの言葉が、焔に深く突き刺さった。
かみさまは、焔の中にある何かを見ていた。
「ジンクスか……」
「ん?どうしたかみさま。
ジンクスってなんだ?」
焔の問いにかみさまが答える。
「人の未知なる力……
おそらくそれだろうな神族が恐れているのは……」
クロがそう言ってクスリと笑う。
「あ……えっと、ごめんなさい。
名前は覚えているのですが、会ったことは覚えていません……」
万桜が、申し訳無さそうに謝った。
「気にしなくていいわよ。
だって会ったのは13年前だもの……」
シロが笑う。
「13年前って私、3歳ですね……」
万桜が、目を丸くさせて驚く。
「だったら、覚えていなくても仕方がないな!」
バルドが、そう言ってリンゴを丸かじりする。
そして、シエラには切り分けたリンゴを載せた皿を渡した。
「あ、うさぎさん」
シエラが、そう言って笑う。
「ああ、かわいいだろう?
死んだ娘もこれが大好きだった」
バルドが、そう言って寂しそうな目でうさぎを見た。
「娘さん亡くなっているんですか?」
万桜が、そう聞くとバルドがうなずく。
「ああ。
病気でな……
っと辛気臭い話はここまでにしてお前らは休め休め!」
バルドが、そう言って豪快に笑った。
「焔くんもシエラさんも血圧に異常もないし今日ゆっくり安静にしていれば明日の朝には退院できるわ」
シロが、そう言って焔から血圧計を外した。
「ありがとうございます」
焔が軽くお礼を言った。
「で、あの光のことはなにかわかったですか?」
シエラがバルドに尋ねる。
「ああ。
あの光の名前は、カリュドーンの猪。
あの暴れまわる光は、あの場所にいたほぼ全ての人を焼きつくした」
「ってことは、一部の人は生き残ってるのですか?」
焔がそう尋ねるとバルドがうなずく。
「ああ、アンゲロスの情報によるとあれは対人兵器。
人類とその製造物のみを破壊する。
神族や天使族、魔族などの人類以外には効果が無いらしい」
バルドが、そう言うと万桜がうなずく。
「だから、私も無事だったんですね」
「ああ。
んで、ここからが難題だ。
テオスは、再びカリュドーンの猪を打つ準備が出来ているらしい。
1発打つのに必要な充電時間は、3日……
つまり、3日あれば何発でも打てるらしい。
テオスは、人類に全面降伏しなければ再びカリュドーンの猪を放つと言っている」
「それで、どうするんですか?」
焔が、バルドに尋ねる。
「戦うしか無いさ……
降伏すれば人類は、テオスの奴隷になるだろう」
バルドの眉間にシワが寄る。
するとかみさまが、顎に手を当てて言葉を放つ。
「解せぬな」
「かみさまどうした?」
「降伏させる必要あるのか?
ヤツラは人を人類をゴミとしか見ていない。
奴隷としてさえ扱ってもらえるかわからんぞ?」
「つまり、どういうことだ?」
焔が、かみさまにそう尋ねるとかみさまがため息混じりに言った。
「つまり、神族は人類を家畜以下として扱う可能性もあるってことだ」
「家畜って馬や牛?」
シエラが、そう言って目を泳がせる。
「良くてイヌやネコだな。
当然服は着せられずイヌのように裸で外に放り出されるだろう。
まぁ、神族は人類を食さないだけまだマシだろうが……」
かみさまの言葉に焔の目が鋭くなる。
「そんなことさせてたまるか。
そんなことするくらいなら死んだ方がマシだ!」
怒鳴る焔をバルドが、なだめる。
「そう怒鳴るなって、そうならないためにも俺らは戦うんだ。
それも決死の覚悟でな」
バルドの言葉が、焔に深く突き刺さった。
かみさまは、焔の中にある何かを見ていた。
「ジンクスか……」
「ん?どうしたかみさま。
ジンクスってなんだ?」
焔の問いにかみさまが答える。
「人の未知なる力……
おそらくそれだろうな神族が恐れているのは……」