魔王の娘が勇者になりたいって変ですか?
第四章:勇者見参!
 それから、30分後……
 万桜たちは動けるようになる。

「みんな動けるかい?」

 正が、頭を押さえながら尋ねる。

「はい……
 なんとか……」

 万桜が答える。

「敵機は全て撤退したようだよ」

 新一がそう言うと2機のフェアリーが現れる。

「誰?」

 万桜が、そのフェアリーを睨む。

「……新一。
 惨敗って感じだな?」

 男の声が響く。

「灰児くん。
 惨敗とは酷いじゃないか」

 新一が、そう言って笑う。

「負けは負けだろう?」

 もうひとつのフェアリーからも男の声が響く。

「太郎くん。
 君も来てくれたのかい?
 嬉しいよ」

 新一が、ウインクを飛ばす。

「新一さん。
 この人たち誰ですか?」

 万桜が、新一に尋ねる。

「君も名前は知っていると思うよ。
 赤い機体が、追撃王ジャスティス。
 杉山 太郎くん。
 そして黒い機体が魂を喰らうモノ。
 南野 灰児くん。
 ふたりとも有名な勇者だよ」

 新一が、そう言うと万桜は安堵のため息をつく。

「敵じゃないんですね……
 よかった」

「よし!
 作戦は終了だ……
 とりあえず全員パンドラ艦へと戻ってくれ」

 そして、ガウルの号令によりパンドラ艦野中へと戻った。
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