初恋 二度目の恋…最後の恋

人とのかかわり

 何が優しいと思ったのか聞けなかったけど、聞かなくてもいい様な気がする。別に私は小林さんに特別優しくしたつもりはない。小林さんの方をみようと少し視線を上げるとそこにはいつもよりももっと穏やかな笑顔があって、私は恥ずかしくなって目を逸らしてしまった。


「小林さんはとっても優しいから、本社に来た時に食事に誘って貰って嬉しかったです」


「みんなにはブーイングだったけど」


「それでも私は緊張したけど嬉しかったです」


「そっか。それならよかった」


 いつもの無邪気な微笑みと違う穏やかな微笑みは私をドキドキさせる。お酒の酔いは小林さんの素の表情を見せるのかもしれない。そう思うとなんだか嬉しかった。


 高見主任のマンションの近くのコンビニは思ったよりも大きめの店舗だった。明るい店内には何人かのお客さんがいる。でも、その店に入ろうとして、足が止まってしまった。


 店の外の壁にいる男女は恋人なのだろう。お互いの隙間を嫌うかのように抱きしめあい、身体を寄せ合い、今にもキスでもするのではないかというくらいの雰囲気。女の人の細い腰に腕を回し、女の人も身体を男の人にしな垂れる。


 人前であろうとなかろうと自分の愛する人しか見えないというのだろうか?


 恋愛に疎い私だからこんなにも焦っているのだろうか?



 女の人の身体の綺麗なラインに沿った服は綺麗な胸元を強調している。綺麗に巻かれた髪は気合が入っていて…。それにしても目のやり場に困る。


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