初恋 二度目の恋…最後の恋
海外の拠点を経験したら、その後は国内の重要拠点の役に付くのが流れで、それに折戸さんは乗ったと言える。折戸さんの実力を考えれば納得の人事。フランス支社に主任として行くということは栄転。本来ならば喜ばないといけない。
でも、私は複雑だった。
折戸さんは営業一課に来て、右も左も分からない私を優しくしてくれた人。休みの日に何度も一緒に出掛けた。私に新しい楽しみを教えてくれたのは折戸さん。寂しいと思う気持ちが拭えない。
「美羽ちゃん。今日ご飯食べに行こう。もう、仕事終わるから」
そう言われたのは定時を少し過ぎたくらいの時間だった。珍しく折戸さんは仕事を全部終わらせてもう帰れるようだった。いつもは遅くまで仕事をしているのに…今日は定時。
「もう少し掛かりますが、それでもいいですか?」
「もちろん。俺ももう少し仕事をしようかな」
そういうと、折戸さんはパソコンに何かを打ち込みだしたのだった。私も作りかけの書類を作り上げると高見主任の机の上に置く。これで、今日の仕事は全部終わりだった。
「折戸さん。終わりました」
荷物を片付け、折戸さんと一緒に食事に行こうとしているとちょうど小林さんが客先から帰ってきたところだった。そんな私たちを小林さんが見つめている。何か言いたげなのに、言葉を探しているようだった。
「美羽ちゃんと今から食事に行ってくる。俺、フランスに転勤が決まった。」
「…さっき、北井さんからメールが来ました」
でも、私は複雑だった。
折戸さんは営業一課に来て、右も左も分からない私を優しくしてくれた人。休みの日に何度も一緒に出掛けた。私に新しい楽しみを教えてくれたのは折戸さん。寂しいと思う気持ちが拭えない。
「美羽ちゃん。今日ご飯食べに行こう。もう、仕事終わるから」
そう言われたのは定時を少し過ぎたくらいの時間だった。珍しく折戸さんは仕事を全部終わらせてもう帰れるようだった。いつもは遅くまで仕事をしているのに…今日は定時。
「もう少し掛かりますが、それでもいいですか?」
「もちろん。俺ももう少し仕事をしようかな」
そういうと、折戸さんはパソコンに何かを打ち込みだしたのだった。私も作りかけの書類を作り上げると高見主任の机の上に置く。これで、今日の仕事は全部終わりだった。
「折戸さん。終わりました」
荷物を片付け、折戸さんと一緒に食事に行こうとしているとちょうど小林さんが客先から帰ってきたところだった。そんな私たちを小林さんが見つめている。何か言いたげなのに、言葉を探しているようだった。
「美羽ちゃんと今から食事に行ってくる。俺、フランスに転勤が決まった。」
「…さっき、北井さんからメールが来ました」