強引男子にご用心!

妙な感覚を起こす人。

エロいし、鬼畜だし……

そうよ。鬼畜なのよ。

人の事からかって振り回すくせに、自分は何でも知ってるって顔で意見してくるし。

確かに私にも非はあるんでしょうよ。

だけど、磯村さんは関係ないじゃない。

そうよ、関係ない。

友達でも何でもないし、単に同じ会社に勤めてるってだけのお隣りさんよ。

関係ない人のことを考えている時点でバカなんだわ。

そうよ。
だいたい、私は会社でしか接点ないし、連絡先すら知らないような相手よ。


「世の中は難しいわね」

「ちょろいとは言わないけれどね」

水瀬肩を竦めてから足を組んだ。

「……少しは落ち着いたみたいね」

「何が」

「とりあえず、まぁ、般若みたいな顔してる」

え。それはそれでまずいんですけど。

ペタペタ顔を触っていたら、ますます水瀬に笑われたけれど、また何かあったら来なさいと言われるままに医務室を後にした。

だいたい今は忙しいんだから、医務室に行ってる場合じゃないのよ。

でも、しばらくは掛かるかな、後輩たちのフォロー。

これも仕事だし、サボってきた私も悪いんだしね。

< 59 / 162 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop