強引男子にご用心!
妙な感覚を起こす人。
エロいし、鬼畜だし……
そうよ。鬼畜なのよ。
人の事からかって振り回すくせに、自分は何でも知ってるって顔で意見してくるし。
確かに私にも非はあるんでしょうよ。
だけど、磯村さんは関係ないじゃない。
そうよ、関係ない。
友達でも何でもないし、単に同じ会社に勤めてるってだけのお隣りさんよ。
関係ない人のことを考えている時点でバカなんだわ。
そうよ。
だいたい、私は会社でしか接点ないし、連絡先すら知らないような相手よ。
「世の中は難しいわね」
「ちょろいとは言わないけれどね」
水瀬肩を竦めてから足を組んだ。
「……少しは落ち着いたみたいね」
「何が」
「とりあえず、まぁ、般若みたいな顔してる」
え。それはそれでまずいんですけど。
ペタペタ顔を触っていたら、ますます水瀬に笑われたけれど、また何かあったら来なさいと言われるままに医務室を後にした。
だいたい今は忙しいんだから、医務室に行ってる場合じゃないのよ。
でも、しばらくは掛かるかな、後輩たちのフォロー。
これも仕事だし、サボってきた私も悪いんだしね。