強引男子にご用心!
あっさりとハッキリと、何をいってくれちゃうんだ貴方は!
「それに、二度もキスした仲だし。作ってくれても損はないと思う」
そういう問題じゃないし、損得の問題でもないし、何だか訳が解らないし。
「まぁ、それは冗談にしても、今日の格好なら問題ないからついて来いよ」
「はぁ?」
今日の格好なら?
今日の格好なら、黒のレギンスパンツに白いだけのブラウスだけど。
意味が解らなくてポカンとしていたら、カートからカゴを取り上げられ、そのままスーパーの入り口に向かう磯村さん。
「ちょ……っ?」
「飯食いに行こうぜ。あんたじゃ汚ねぇラーメン屋に連れて行く訳にもいかねぇし、ちょうどいいだろ」
「何がどう、ちょうどいいのか全く解らないわよ。だいたい関係ない貴方と食事に行く理由が……」
「関係ないかぁ。関係作ってもいいが、まだ拒否られそうだしな」
「はぁ?」
カートを押しながら立ち止まった磯村さんに追い付いて見上げる。
見上げた磯村さんはニヤリと笑い、それから微かに目を細める。
「飯食うのと、あんた喰われんの、どっちを選ぶ?」
ご飯たべるのと、私が食べられるのと………………
わ、私が!?
カートごと退くと、退いた拍子に足がもつれてこけた。
「何してるんだ、あんた」
積み上がったカゴに持っていたカゴを戻し、手から離れて転がったカートも戻してくれて、磯村さんは私の目の前にしゃがみこむ。