強引男子にご用心!
「何か?」
「あ。いいえー。大丈夫です」
……変なの。
「そういえば、誰か郵便物取りに行っている?」
「牧が取りに行ってます」
「そう。可哀想に、雨に濡れて風邪引かないといいけれど」
今度はポカンとした顔をされて、まわりを見渡した。
「……なに」
「先輩。何か悪いものでも食べましたかぁ」
はぁ? なんの話よ。
「もしくは、体調は万全ですか?」
「万全よ。何なの」
「だって先輩~。やばくないとか言ってるし、牧の心配とかしてる」
「…………」
確かに、普段から礼儀正しくきつい口調を心掛けてはいるけれど……。
心配は、するでしょうよ。
そこを驚かれている私は鬼か。
「心配……くらいするわ」
言わなかっただけで……。
「はぁい。ですよね~。先輩、丸くなりましたねぇ」
「そんなことはないです。とにかく仕事しましょう。そろそろ採用関係の時期ですから」
そんな風に言いながら、仕事をこなしていって、昼休みには水瀬のところに顔を出した。
「……また、お昼休憩に来たの?」
「忙しい?」
「大丈夫だけれど。相談……?」
「相談希望」
「解ったわ。座って」
水瀬は立ち上がると、ドアの所に“面談中”の札をかけてから戻ってきた。