強引男子にご用心!
「少し言ってもいいか?」
「は、い?」
腕を組み、偉そうな磯村さんはニッコリ胡散臭げな笑みを見せる。
「拒否が遅ぇよ。拒否すんなら、俺が興味持つ前にシャットアウトしねぇと駄目だろうが」
「意味が解りません!」
「そーだなー。一番最初に飯食いに行った辺りで拒否されてたら、たいして踏み込まなかったかも知れんな」
「最初……」
何だか、よく……解らないけれど。
「ところで気づいてるか?」
「何を、ですか」
「これって、いわゆる“痴話喧嘩”ってやつだぞ?」
「………………」
私、一体この人相手に、どうして引き返せると思ったんだろう。
とりあえず、この人はどうするべきなのか。
全く解らなかった。