強引男子にご用心!

ムッとしながらも連絡先を教えて、洗い終えた食器を乾拭きして棚に戻す。

それからシンクをクレンザーで磨いて、水気をフキンで拭いてから洗濯かごに入れて落ち着いた。

ピカピカは気持ちいいよね。


「徹底的だな」

「気持ちいいでしょう?」

「今度は二人で気持ちいいことしような?」


二人で気持ちいいこと?

眉をしかめて磯村さんを見ると、見えたのは意地悪そうなニヤニヤ笑顔。


……二人で。


ふたり。


「何を想像してるんですか!」

「そっちこそ何を想像してだよ」

「磯村さんほど具体的じゃないです!」

「エロ乙女」

「違います!」


最後には、やっぱりからかわれて、磯村さんは部屋に返っていった。


……からかうのが日課になってないかな、あの人。

そんな事を思いながらパジャマ替わりのTシャツと、ハーフパンツに着替えてベッドに入る。



……二人で、か。


何をするかはともかく、その響きはこそばゆい。

そんな風に思いながら、気がつけば眠っていた。












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