妹と彼氏が××してました。

『ゆき』さんはゆっくりとこちらにやってくる。

くそっ！！こっちくんな！！

頭を抱えながら事の成り行きを見守ることしか出来ない私はただただ息を殺す…

いやでも意外と気づかれないものかもよ。

私、ちっちゃいし、ああ、なんか悲しくなってきた…せめて155センチは欲しかったな…お母さん、私悲しい。

うん、あれはあれで興奮してて気付いてないかもだし、そうだよね、周りになんか気を書けてないよね

うんうん、気づかない気づかない…

「ねえ、」

気づかない…よね？

「ねえ、聞いてるの？」

気づくとすぐそばにさっきの男子生徒、…逃げよう、お願いだ逃がしてくれ。




「は、はい…すみませんでしたああはは」

今日の名言、『人は、ピンチになれば逃げるが勝ち…逃げるんだ私』

いやあ、私にはビッチは無理なんだ他を当たろう。そうしよう。

私は足には自信があるんだよ、実は私運動が得意なんだようん。



誰だよ私の足早いって言ったやつ出てこい潰すぞ。

全てフラグでした。死にたい。

目の前には、私の左手をおもっいっきりつかむ「ゆき」さん。痛い痛い手首が折れる…しかし、目の前の「ゆき」さんはとても顔が整っていた。

くせっ毛のうようなふわふわの髪は、ミルクティブラウンに染められていて。

肌は綺麗な白色で、女子のように透き通る瞳はガラス玉のようだ。まつげもばさばさだし、、けれども程よい筋肉に180センチは超えているであろう背。

ゆっくんとはまた別のイケメン、というか「美男子」と言ったほうがしっくりとくるだろう。こんな人、この学校にいたんだ…

「なに現実逃避してるの？」

「いやあ、申し訳ないと思ってます。すみませんでした…ハイ」

「人の濡れ場見といて『ゴメン』だけで済むワケ？」

『ゆき』さんの綺麗なお顔から発せられた目線が、地味顔の私に深く深く突き刺さる…のっと精神暴力…

「・・・」

「・・・」

「申し訳ありませんでしたあああああああああああああああああ」

ピンチの時は土下座、これ常識だよね☆