妹と彼氏が××してました。
ビッチ。

少しは聞いたことがある。

たしか男好き、だったはずだ。

もう一度言う、男好きである。私は初恋が今の彼だし、『男好き』なんてものではない。試しにスマホで検索をかけてみると、えげつないエロ本がのっていた。

…胸が大きくてすごい美人、お人形さんのような女性が複数の男性と「そういう行為」をしているというとても親に見せられない内容に戦く私。

お母さん、娘は大人の階段を上ってしまいました。



でもビッチは『そういった行為』が大の得意。ということはなにかものすごいテクニックを持っているはずだ。そうして男を骨抜きにするのだ。

考えれば考えるほど、素晴らしいものだと思ってきた。

「でも…」

問題が一つある。

誰が私をビッチにしてくれるんだ?自分でビッチになることは無理に等しい。あんな漫画のお姉さんのようにきれいになることは到底不可能。もういっそ整形しようか。

そんな事を考えながら夜道を歩いているとあっという間に自宅についていた。

ビッチ効果恐ろしや…

「じゃあ」

「うん、今日は楽しかったです。またきてください」

そんな時だ、妹と彼氏の声が耳に届いた。



酷くクリアなその二言は、私の傷をえぐるのに十分だった。

ああ、なんて酷い顔してるんだろう。

こんな顔じゃ二人に会えないよ。

嫌われちゃうよ?二人に。




耳元で悪魔が呟いた。
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