偶々、
確認
ひょっとしたら遅れていると促しながらも早く来るかもという淡い期待を抱いたが、いくらここにいても25分遅れは変わらないらしい。


もしかしたらわたしがここにいるから彼も動かないのか、そう思い立ち声を掛ける。


「まだ来そうにもないので、待合室に行こうと思いますが…どうします?」


「そうですね…、とりあえずタバコでも吸いますか」

遠くを見ていた彼がこちらへと向き直り、ポケットから取り出したスマホで時間を確認する。


時間を潰すためにとりあえずこの場から離れることになり、何度か行き来したホームを歩き出した。


みんな同じ考えなのか、通り過ぎた待合室は待ち草臥れた人ばかりで、その先の喫煙所はタバコの煙が立ち込め部屋全体を白く覆っている。
< 11 / 41 >

この作品をシェア

pagetop