偶々、
それを話すと、彼は大きく頷き歯を見せ笑う。


「それ、わかりますよ。ライターあってもタバコがなかったり、タバコはあるのにライターなかったり。吸っている人がいたら言えばライターは快く貸してくれるんでしょうけど、そこまでして吸いたくないんですよね」


「だから喫煙所でないことに気づいたらすぐ出てコンビニとか売店で買っちゃいます。ここみたいに混んでて吸わずに出たら、なんだよ吸わないのかって思われるだろうなって毎回恥ずかしい思いをしてます」


「喫煙者あるあるですよ、それ」

わかるわかると、首を振りわたしを見下ろす彼は楽しそうに目元を下げている。


「えー?あるあるネタですか、これ?そんなにいませんよ」

どちらかと言えば、愛煙家はタバコを忘れたりライターがなかったりなんて失態は犯さないと、わたしは思っている。
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