偶々、
彼はその提案を飲んでくれたのか、気恥ずかしそうに笑っておもむろに喋り出す。


新幹線が来ないだとか、趣味や音楽の話。同じ曲をダウンロードをつい先日したこと。

証明するため、スマホを取り出し見せる。ついこの間聴いた新曲が待合室に流れている。


2人で顔を見せ合い吹き出した。


「なんだか方言、違和感ありません?」

と、彼は額を掻きながら、言った台詞は訛りが消えて綺麗な言葉。


「わかります、なんだろうな。…きっと東京帰るからなんでしょうね?でも、ほんと標準語だし訛ってないからすごいですね」

イントネーションがそもそも違うから、なかなか標準語に慣れないはずなのにそれを感じさせない彼は、本当にすごいと思う。
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