偶々、
喫煙所を出ても未だ乗る予定の便の表示はなく、現在20時16分発の乗車待ち。堪り兼ねてコーヒーショップでホットコーヒーを買う。

紙コップの蓋を取りミルクと砂糖を遠慮なく投入し、外した蓋をかぶせる。


手先まで冷たくなった両手でカップを持ち、まずは指を暖めた。緩まった指先の次はカップ口を唇に押し当て喉に流し込む。

程よい熱さのコーヒーが冷えた身体を暖めてくれているようで、少しだけ心も落ち着いてきた。


その場で中身半分程飲み進め、舞い戻った16番ホーム。疎らに待ち人がいる中。


見知った人影がそこにあった。
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