【企】恋する君に口づけを
「愛莉(あいり)、なにしてんの?」
「あ、怜美(れみ)ちゃん…」
さっきまで教室で退屈そうにしていた親友の怜美ちゃんが、後ろに立っていた。
「あーあ、告白大会ね。 まあ、がんばりなよ!」
怜美ちゃんは他人事のように笑いながらそう言った。
そんな怜美ちゃんを見て呆れながらため息を吐きながら、中庭にいる康太に視線を戻す。
あたしは昔からずっと康太のことが好き。
だけどこの関係が壊れちゃうのが怖くて、なかなか告白はできずにいた。
そして文化祭1週間前。
サッカー部が企画したこの告白大会の参加受付表を、怜美ちゃんから見せられた。
【告白する人→森永愛莉 / 相手→林康太】
怜美ちゃんの字で書かれたその紙は、気がつかないうちに係りの人に出されていた。