☆☆☆ 暴れキャンディ ☆☆☆

 「茶碗子、アンタ、今日一日でまた太ったんじゃないの?」
 
 「はあ?」
 
 茶碗子はピタッと口が止まった。
 ムッとした。
 茶碗子にとって一番言われたくない言葉である。
 実際は今日一日でそれほど太ったわけではないだろう。

 「ほらあ、浮き輪がミドル級になっちゃたよ?」

 「うるさいっ!この若作り化粧誤摩化しババア!」

 「はいはい。じゃあよろしくね」

 「とっとと行っちまえ!」

 「じゃあ行ってくるねえ」

 「死んじまえ!」
 
 茶碗子の母親は出て行った。
 これから朝まで仕事なのだ。

 「……」
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