☆☆☆ 暴れキャンディ ☆☆☆
 箸矢は家まで走った。
 公園を無視して。
 学校と箸矢の家の間にコンビニ位の広さの公園がある。
 その公園に鉄棒が3本ある。
 箸矢学校帰り必ずその鉄棒で懸垂を百回行っている。
 だがこの日はそんな鉄棒が視界には入ったが快速の電車が各駅で停まる駅を悲痛の想いで過ぎ去る様に通り過ぎた。

 家が大事だった。

 速く速く家用の自分になりたかった。
 ならなければならなかった。

 その焦りが悲劇を産んだ。
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