☆☆☆ 暴れキャンディ ☆☆☆

 二年の時を経て今こうして独りで桜を眺めている。
 ただし窓際ではない。
 一番廊下側だ。
 一番廊下側だが顔を出せば窓が見える。
 桜が見える。
 入院したら窓際がいいな。
 そう想っていたあの頃を想い出していた。

「……」

 箸矢涼は病院のベッドで横になっていた。
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