☆☆☆ 暴れキャンディ ☆☆☆
 
 父親は家の中でも外だった。
 年中家の中に会社の人間が出入りした。
 家と会社の境界線は無く父親の一面しか知らなかった。
 スイッチを点けたままの玩具はいずれ電池が切れてしまう。
 電池を取り替える時間も与えてくれなかった父親。
 まるで電池の消費を自ら望む様な生き方。

 そして父親は自分でスイッチを切った。
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