☆☆☆ 暴れキャンディ ☆☆☆
第一章 クルミが割れる直前

 後ろから視線を感じる。

 斜め右後ろ左後ろからも視線を感じる。
 遠くからも視線を投げ掛けて来ている。
 そしてすぐ隣からも、ベタッとした海藻の匂いがする様な視線が染み込んでくる。

 その全ての視線はずっとではない。
 チラチラとまさに盗み見。

 茶碗子は、その四方八方からの視線に慣れっこだった。
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