☆☆☆ 暴れキャンディ ☆☆☆
茶碗子は、ブラジャーとパンティ姿のままリビングに戻りテレビを点けた。
テレビではテレパシーがどうとか、ありきたりな怪奇現象の特集番組をやっていた。
「茶碗子、お風呂は?」
茶碗子の母が目を丸くして言った。
驚くのも無理は無い。茶碗子はブラジャーとパンティ姿のままテレビの前で片膝を立てて座る様な娘ではないからだ。せいぜい「お山座り」だろうと。
「……」
茶碗子は、母の問いかけなど全く耳に入っていない。
テレビの画面では、どこかの研究者がテレパシーについて熱く語っており、それをお笑い芸人が怒った口調で否定している。激しい意見と持論の押し合いが、熱気を造り出している。
「テレパシー、バカバカしー」
茶碗子はそう呟いてテレビを消した。